現在、EU理事会議長国を務めるオーストリア(参照)では、特に活発に議論されている。新EU市民の流入は国民の職を奪いかねないとして、連邦政府は労働市場の開放に反対しているが、他方、国内企業の中からは、自由化を求める見解も聞こえる。特に、ホテル業(調理、清掃)や農業の分野では、人手不足が深刻であり、中東欧諸国出身労働者の受け入れを歓迎している(参照)。なお、ドイツに同じく、オーストリアは、季節労働者など、短期間の受け入れは容認しているため、新加盟国出身の労働者の割合は高くなっている。
前述したように、欧州委員会は、新加盟国から労働者が大量に押し寄せる可能性は小さいとしてしているが、多くの新加盟国と隣接するオーストリアに関しては、移入を望む者の割合は、東方拡大後に倍増している(0.7%から1.4%)(参照)。
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政府の見解 |
労働市場の制限が認められなかったとすれば、オーストリア国民は、東方拡大 を支持しなかったと解されるが、新規加盟国と隣接する地理的要因の他に、国内の失業率の悪化(特に、外国人労働者の失業率が悪化している)や、近年、すでに多くの外国人労働者を受け入れていることを指摘し、オーストリア政府は労働市場の開放に反対している(参照)。 |
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