2007年1月1日、スロベニアのユーロ導入が実現した。これにより、ユーロ圏は13ヶ国(人口は3億1660万)に拡大した(その他の導入国は こちら)。
導入日の1月1日と翌2日は祝日であるため、通常の流通が始まるのは3日以降となるが、大きな問題は生じないと目されている。なお、従来の通貨トラルは、1月14日まで法定の公式通貨として認められる(参照)。
トラルとユーロの交換比率は239,64対1である。つまり、239,64 トラル = 1 ユーロとなる。例えば、スロベニアのスーパーでも売られている瓶詰めの梅干しは、2980.00 トラル =
12.44 ユーロである。このように、商品棚には両通過での値段が明記されているが、ユーロに換算すると大幅に値下がりしたかのように感じられるため、消費者保護団体は注意を呼びかけている。なお、ドイツを初めとする従来のユーロ導入国では、新通過への切り替え後に値段が高騰したと批判されている。スロベニアでは、すでに2004年5月のEU加盟の時点で物価上昇の現象が表れているが、ユーロ導入をきっかけに、地方公共団体は駐車料を50%引き上げている。
スロベニアがトラルを導入したのは15年前であり、バルカン半島独立のシンボルとして支持されてきたが、ユーロは「ヨーロッパ」への帰属性を象徴するものとして歓迎されている。
現在、年間4%の経済成長率を記録するスロベニアは、ユーロの導入だけではなく、EU理事会議長国の役割も、2004年5月にEUに加盟した 10ヶ国 の中で先陣をきって引き受ける(議長国期間は2007年上半期〔参照〕)。加盟から約2年半ないし約3年半という短期間のうちに、EU内での比重を増すことになるが、経済的発展を成し遂げた今後は、労働市場の自由化 に向け、従来の加盟国に働きかけていくと解される。
|