2009年10月10日(土)、ポーランドの Kaczynski 大統領は、リスボン条約の批准書に署名した(参照)。これによって、同国は批准書をイタリア政府に寄託し、手続を完了させることが可能になった。
その結果、EU加盟27ヶ国中、まだ批准の見通しが立っていないのは、チェコのみとなったが、国内議会(両院)はすでに批准を了承しているものの、大統領が批准書への署名を拒んでいたため、手続が完了していなかったという点でポーランドとチェコは共通していた(詳しくは
こちら@、A)。これは国内政治の対立(大統領が所属する野党と政府の対立)や大統領がEU統合に懐疑的であることなどに基づいているが、チェコの Klaus 大統領に比べると、ポーランドの
Kaczynski 大統領は穏健であり、アイルランドの国民投票で批准が決定されると、批准書に署名するとしていた。しかし、実際にアイルランド国民が批准を決めると(詳しくは
こちら)、署名を渋るようになるが(参照)、国民投票の実施から約1週間後の10月10日、批准書に署名した。署名式典には、現EU理事会議長国スウェーデンの Reinfeldt 首相、欧州委員会の
Barroso 委員長だけではなく、6月の欧州議会選挙後に選出された Buzek 議長 も出席しているが、同議長はポーランド出身である。
なお、10月8日、同国の Klaus 大統領は、国内憲法裁判所によってリスボン条約の合憲性が再度、確認されると、批准書に署名すると述べているが、同条約に脚注を設け、人権保護について定めるべきとの要求も突きつけている(参照)。
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