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◎ 授業の概要

 私たちの日常生活では代金の未払いや商品に欠陥があることなどを原因とし、争いが生じることがあるが、当事者間で解決しえないときは、自らの権 利を保護・実現するため、裁判所へ訴えることも必要になる。

・訴えの例
  • AはBから家を借りているが、Aが無断で家をCに転貸しているため、Aは賃貸借契約を解除し、家の明け渡しを求める訴え(民法第 612条第2項参照)
  • CはDに自動車を売却したが、Dが代金を支払わないため、その支払いを求める訴え(民法第555条参照)
  • EはF社の株主であるが、F社は法律に違反する形で株主総会を開催し、Eの権利を侵害する決議を行ったため、同決議の取消しを求める 訴え(会社法第831条第1項第1号参照)
 また、相手方の法的義務を確認するために訴えを提起することもある。
  • CはDに自動車を売却したが、Dは代金を支払わなかった。このような状態を放置しておくと、時効が成立し、代金を請求できなくなるた め、Dの支払義務の確認を求める訴え
      → 上掲のCの訴えとの違いに注意すること(参照)。
〔補論〕
 裁判所に訴えを提起し、実現ないし保護を求めることができるのは法的な権利であり、確認や履行を求めることができるのは法的な義務である(参照)。この権利や義務は実体法で定められており、裁判では実体法上 の権利・義務が争われることになる。概して実体法は訴えの提起について定めていないが、権利保護を厚くするため、明確に定めている規定もあ る。

◎ 実体法で訴えの提起が認められることが明確にされている例
  • 占有保持・保全・回収の訴え(民法第198条~第200条)
  • 離婚の訴え(第770条〔人事訴訟〕) ※
  • 認知の訴え(第787条〔人事訴訟〕)
  • 会社の組織に関する行為の無効の訴え(会社法第828条)
  • 株主総会決議無効確認の訴え(第830条)
 なお、民法は成年後見の開始(第7条)や失踪宣告(第30条)を家庭裁判所に申し立てることができる旨を定めているが、これらは訴えではな い(これらは訴訟事件ではなく、非訟事件である ☞ 11頁以下)。

※ 民法第763条によれば、夫婦は話し合って離婚を成立させることができるが(協議離婚)、両者が合意している場合であれ、必ず裁判所に離婚の成立を申し立てなければならな いとする国も少なくない。

 民事訴訟手続は法律に従い進められるが、その最も重要な法律が『民事訴訟法』である。この授業では、この法律の内容や解釈・適用に関する問題に ついて解説する。

 ※ 法律上の責任(法的責任)と道徳・倫理上の責任の違い

◎ 講義項目

 授業の主な内容・項目は以下の通りである。
① 紛争解決手続としての民事裁判と裁判外の紛争解決手続
② 訴訟事件と非訟事件
③ 裁判管轄
④ 訴訟当事者に関する諸問題(当事者の確定、当事者適格など)

⑤ 訴訟の審理過程
⑥ 証拠調べ
⑦ 訴訟(第1審手続)の終了
⑧ 判決の効力
⑨ 不服申立制度(上級審手続)
⑩ 複雑な訴訟形態

成績評価方法


 ①授業中に行う小テスト、②6月初旬に実施予定の中間試験(筆記試験)と③学期末に実施される期末試験(筆記試験)の成果を総合して評価する。 中間試験に合格しないと、期末試験を受け、単位を取得することはできないため、注意して下さい。  
 なお、授業への出席も重視しますので、特別な理由がない限り、授業には毎回、出席すること。やむをえず欠席する場合は、欠席届を提出して下さ い。 この届は下の画像をクリックし、送ることもできます。
 
欠席届け
欠席届の提出

使用する法令

 特に『民事訴訟法』
 その他の法令を使用することがありますので、必ず六法を持参して下さい。
 

参考図書

 授業では私が作成した講義ノートを使用します。受講者は必ずプリントアウトして持参してくだい。
 なお、適宜、参考文献を指示します。